よく美術やデザインに造詣が深い方がご自分の住まいをつくるとき、頭の中にすでにできあがってしまっているイメージに近づけることのみを考えて家づくりをおこない、その形に近ければ成功、遠ければ失敗というふうに結論づけたりすることがあります。
それもまたひとつのやりかたなわけで、不正解ではないのかもしれません。が、少なくとも“建築”を経験したことにはならないわけで、「あ~あ、せっかくの機会なのに建築以外の部分での楽しみに終始しちゃったんですね。」ってところでしょうか。
ほんの小さな“建築”(ここで言う建築は住宅やそれ以上の大きさの構築物に限らず、部屋の片隅に置ける建築もあり、一からつくるものである必要もないわけです。)でもかまわないので、“つくる過程を経験”し、“なにか特別な感覚”を感じてこその“建築”なわけです。
一度それを感じてしまうと、繰り返し建築を経験したくなることうけあいです。