
どんな家が“いい家”なのかということを考えるとき、
もちろん人それぞれの答えがあるわけなんですが、
そう例えば “とにかく安い家” “とにかくかっこいい家” “とにかく快適な家” “とにかく広い家”・・・・
“一時だけ気に入る家”でいいのなら“とにかくな家”でじゅうぶんなんですが、“長くいい家”であるためには“多くの『気づき』を含む家”であるべきではないのでしょうか。
「建築家はこの窓で切り取られた景色を見せたかったのかも」とか「この部分の軒の浅さは雨音を感じるため?」とか「ここの壁の塗りかたから左官さんのこて運びがわかるね」とか。さらには“光”や“風”に関する“気づき”。
住まい手の顔が見えない場合設計者も気づきの要素をちりばめるすべも無く、工業製品の組み立てでつくられた家の場合職人さんの手わざを発揮する箇所も少ないんでしょう。
“気づき”ながら住まい、10年、20年経ってもまだ気づける家。そんな家がいい家と呼べるのではないでしょうか。