
‘建築家’のことを‘作家’、‘住宅建築家’のことを‘住宅作家’、‘建築家が設計した建築’のことを‘作品’って呼んだりするわけですが、正直少し違和感を覚えます。ただ、反面「この住宅、デザインからしてぜったい○○さんの設計やで。」みたいな部分で建築家に作家性を求める気持ちもあるわけで。そこで陥ってしまいがちなのが「クライアントもこんな感じを望んでるわけやから、前と同じこんなデザインでいいんとちゃう?」というような、‘カタチ’が出来上がった建築家が過去の自分の‘カタチ’のなかで処理してしまおうとする・・・・・・これはこれでひとつの道なんでしょうが。
建築家のなかには、一生のなかで何度か‘作風’(この言葉にも少しだけ違和感を覚えますが)を変化させることによってより大きな存在になっていかれる方も居られるわけで、それはやはり並外れた勇気と才能が必要なんでしょう。
(写真は大阪の世界的な建築家がコンクリート打ちっ放しで一世を風靡する以前の住宅。開口部の少なさがいかにも建築家住宅という感じ。大切に居住されている感じです。)