
名住宅建築。建築家の自邸や身内の住居がけっこう多いですよね。まあご自分の中で暖めてこられた‘提案’や‘建築的欲求’や‘ヤリタイコト’を完璧に近いかたちで実現させるには尤もなやりかたなんでしょう。ただ見過ごしてはいけないのが、中には一般の施主の方の住宅で、しかも施主の注文にしっかりと応えたうえでの‘すばらしい住宅’が存在するということ。
この場合施主側の節度ある注文というのも大切なわけですが、最も重要なのは建築家が注文のうち、その建築にとって(もちろん施主にとっても)の利害(もちろん自分の利害ではなく)を判断し、‘正しい注文’と‘誤った注文’とをしっかりと見極めて‘正しい注文’にはすべて応えるという姿勢でしょう。
すべてお任せでないと仕事ができないっていうことでは‘家づくりを担う建築家’には適任ではないということになってしまいます。