建築の講演会等でしばしば聞くことができる「何をつくるかよりも何を考えたかの方が重要なこと。」。
この種の発言は主に建築関係者、とくに若い建築関係者、とくに学生中心、に対して発信されることが多いので、“聴衆をあおる”という側面、というかほとんどがそのことを目的とする発言と思われるわけで、広く一般にこの種の発言を行うと誤解や違和感が生じるのは当然と思われます。
ただ、この種の発言には中身が何も伴っていないのかと言うと、もちろんそんなことではまったくなく、
“考えてつくる”ことによって建築に深み、味、個性、住みやすさ、愛着などと表現されるようなものがより多く含まれるようになるのは事実。一般には考えられないことかもしれないけれども、経済的なこととか表層(インテリアにおいても)のこと以外は“考えずにつくられる”ことが多い一般住宅の分野でも、“考えてつくる”ことを求めていくことがより良い住宅を手にいれる唯一の方法かもしれません。
“何を考えながらどうつくったかが重要”